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基本的に誰も得をしない文面

気になる音楽作品をメモしていく:ブラジル音楽から和ジャズまで

2024年の1月~3月に発売される予定の音楽作品から、気になるものをピックアップ。

1月に出るやつ

Osmar Milito / Viagem

ブラジルの名アレンジャー、オズマールミリートの1974年作がLPで復刻。

とろけるようなエレクトリック・ピアノの音色がメロウな印象を与える、ボサノヴァ・ファンク(そんな言葉あるのか?)の名作。

ディスクユニオンでは1月18日から、タワレコでは1月26日から取扱開始。

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Agustin Pereyra Lucena

ブラジル音楽に魅せられたアルゼンチン出身のギタリスト=アグスティン・ペレイラ・ルセナのデビューアルバムが待望のLP復刻。

オリジナル・マスターテープを使用した復刻は今回はじめての事だそう。音質良さそうなので楽しみ。

良質なブラジル音楽を発表してきたFar Out Recordingsから。タワレコでは1月26日発売。tower.jp

 

2月に出るやつ

Oluko Imo / Oduduwa

オルコ・イモはトリニダード出身の音楽家。アフリカからの影響を強く受けたファンク・バンド「ブラック・トゥルース・リズム・バンド」ではソングライター、ベーシスト、シンガーなど中心的役割を果たした。

本作は1988年にラゴスとニューヨークの間で録音したシングル盤。史上初となるレコードでの復刻が実現した。

「オドゥドゥワ」は、イフェ王国の最初の支配者にして、ヨルバ族の諸王国の先祖とされる伝説的な王の名前。トリニダードにおけるヨルバの伝統を想起させる題名になっている。

アフロビートの創始者フェラ・クティと彼の息子フェミ・クティも参加。2月9日発売開始。

 

Sahib Shihab and the Danish Radio Jazz Group

フランスを拠点に、オリジナル盤に忠実な復刻を行っているレーベル=Sam Recordsから。欧州ジャズ屈指の人気作が久々のLP化。

20年ほど前に大阪の澤野工房がLPで復刻したが、なかなかすごいお値段で売買されていた。1965年のオリジナル盤は、最安値で€2,000(約32万円)、最高値だと€4,000(約64万円)で売買されたようだ*。いくら円安とはいえ、私には非現実的と思える価格だった。

ジャケットのデザインがオリジナルに忠実な見た目で復刻され、さらに今回はオリジナルのマスターテープからリマスターした音源でLP化される*らしいので、音質も良さそう。

ディスクユニオンでは「2月下旬入荷予定」。Sam Recordsのページではもう買えるように見える。全世界3000枚限定。

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three blind miceプレミアム復刻コレクション

アルバムではなくシリーズ単位で注目しているやつ。

"three blind miceプレミアム復刻コレクション"というシリーズが2月から始まるらしい。

1970年に設立されたレーベル「スリー・ブラインド・マイス(TBM)」は、1970~80年代に絶頂期を迎えた日本ジャズを記録し続けたレーベル。

こだわり抜かれたジャケットデザインや高品質な録音技術、そして何よりその充実した内容によって、「日本のブルーノート*の異名も。

そのカタログの中からまず3作品がLPで復刻。

ひとつは日本産ピアノ・トリオの大傑作、もうひとつはスピリット大爆発のライブ盤、もうひとつはレーベルの記念すべき1作目。アツい。3作品とも違った方向でアツい。

ソニーの工場で作られるレコードは質が良いと海外ニキネキから評判が良いので楽しみ。3作品とも2月28日発売開始。

 

3月に出るやつ

白木秀雄 / 祭の幻想

戦後の日本ジャズ界を代表するドラマー=白木秀雄が1961年に録音した代表作が久々の復刻。3月6日発売。

モノラル盤とステレオ盤が存在し、ステレオ盤は2007年に復刻された(が、ずいぶんプレミアがついた……今や定価の3倍近い値で売買されているのではないか*)。

モノラル盤がレコードで復刻されるのは史上初のこと。和ジャズの復刻ラッシュがここ数年続いていますが、本作の復刻が個人的クライマックスかも。ついに出た!

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The Clark Tracey Quintet Introducing Emily Masser

ロンドン出身のジャズ・ドラマー、クラーク・トレイシーが3月28日にアルバムを配信。ギルドホール音楽院出身のボーカリスト、Emily Masserをフィーチュア*した作品。

アントニオ・カルロス・ジョビン作曲による「Passarim」が先行公開中。

エレクトリック・ピアノとフルートが涼しげ。

misskey.10: よく聴いた曲2023

この記事はねむだる豆腐音楽会 Advent Calendar 2023 12月12日分の記事です。

 

2023年に私がよく聴いた音楽をSpotify上にまとめました。

open.spotify.com

国も言語もリズムも違う10曲。そして、ことし特に繰り返し聴いた10曲。メモ程度の情報量ですが、どんな人のどんな曲なのかをここに書きます。

Chabuca Granda「Le Valse Creole」

ペルーが産んだ偉大な歌手・作曲家、チャブーカ・グランダ。

ヨーロッパとアフリカの文化を織り交ぜた「ムシカ・クリオージャ」と呼ばれる音楽で数々の名曲を残し、ラテンアメリカの音楽家へ影響を与えたといわれています。

1968年に録音し、後年発掘された音源。ここではフランス語で歌っています。

くだけた雰囲気と知性を感じる歌声が魅力的。

音楽再生アプリいわく「今年の2月に最も多く聴いた曲」。

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Sourakata Koité「Seremende」

西アフリカが発祥のハープの一種「コラ」。セネガル出身のソウラカタ・コワテは、ときにコラの弦を増やし、ときに金属ギター弦を採用するなど、実験的な試みでこの楽器の可能性を追求しました。1984年に録音されたこのアルバムでは、多重録音を駆使して豊かな音色を作り出しています。

短いフレーズを繰り返す演奏に身を預けるのがとても気持ちいい。時折聞こえる弦の振動音がシブい魅力を放ちます。

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Mulatu Astatke「Motherland」

エチオピア音楽とジャズの融合を試みてきた鬼才、ムラトゥ・アスタトゥケの2010年作品。

エチオピア謡曲の哀愁漂うメロディは「日本の演歌に似ている」と言われます。言われてみればたしかに。

私にとって演歌(や歌謡曲)は、こぶしやビブラートに加えオーケストラ、三味線、トランペットにエレキギター、民謡からマンボやハワイアンまで、ありとあらゆる要素を取り入れた『音のゴツ盛り』によって発展した音楽という印象(ムード歌謡の印象が強いのかも)。

音の余白を意識した、「引き算の美学」ともいえるスマートな演奏に、演歌が辿らなかったもう一つの可能性を見たような気持ちになりました。

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見砂直照と東京キューバン・ボーイズ, 初代 木田林松栄, 浅利みき「津軽甚句(ドダレバチ)」

1949年に結成され、現在も活動するラテン・バンドが、津軽民謡の名人と共演した1970年作品。初代 木田林松栄(津軽三味線は叩いて鳴らす、というイメージを決定づけた人物)の三味線もたっぷり聴けます。

裏拍に加えられたアクセントが、ゆらぎのある心地よいグルーヴを生み出しています。でもこれラテンかな?わからない。気持ち良いから細かいことはいっか!

アルバムのラストを飾る「津軽じょんから」もおすすめ。三味線とマンボの競演は「融合」というより「音の鍔迫り合い」のような迫真の熱演。9分半に及ぶ演奏なのでプレイリストに入れるのをためらってしまった……。

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Cecile McLorin Salvant「Doudou」

2023年作品。英語、ハイチ語、オック語(南フランスに伝わる言語)などを取り入れた、ジャズのくくりにとらわれないボーダーレスなサウンドを楽しめるアルバム『Mélusine』に収録。

ガーナ生まれ、ニューオーリンズ育ちの打楽器奏者ウィーディー・ブライマが鳴らすパーカッションが最高にホット。

ちなみに、ウィーディー・ブライマは去年キューピーマヨネーズのCMソングを担当したらしい。日本との意外な繋がり。

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Rita Payés & Elisabeth Roma「Durme negrita」

スペイン・カタルーニャ地方出身のRita Payés(リタ・パイエス)と、Elisabeth Roma(エリサベト・ローマ)母娘が2019年に発表したアルバム「Imagina」から。

「Drume negrita」は、キューバ出身のピアニスト、エリセオ・グレネ(Eliseo Grenet、1893~1950)が作った子守唄。ラテンアメリカで広く愛され、カエターノ・ヴェローゾが歌詞をブラジルの風物に置き換えて歌ったバージョンも知られています(参考)。

リタ・パイエスのハスキーな声も、エリザベト・ローマのギターも、とってもあたたかい。親密でありながら品もある雰囲気が素敵。

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María Teresa Chacín「De Repente」

ベネズエラ出身の歌手María Teresa Chacín(マリア・テレサ・チャシン)の1974年作品から。

この曲を書いたアルデマーロ・ロメロは、「オンダ・ヌエバ(Onda Nueva=新しい波)」という音楽スタイルを打ち出した人物。変拍子を巧みに活かしたゴージャスなサウンドは、ベネズエラ発のニューリズムとして、60年代後半から70年代前半にラテンアメリカや米国でムーブメントを起こしました。

アリ・アグエロなど、このムーブメントに参加したアーティストも参加。穏やかな幸福感のあるナンバー。

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Andy Statman「Barbara In The Morning」

1980年に発表したアルバム「Flatbush Waltz」に収録。

ブルーグラスは、20世紀の米国で発展したアコースティック音楽。バンジョーフィドル(バイオリン)を使った、ノリの良い2ビートのリズム、シンプルなコードと牧歌的なサウンドが魅力。

クラリネットマンドリンの名手であるアンディ・スタットマンは、1970年代頃から登場した、より現代的で複雑な音楽性を持った「プログレッシブ・ブルーグラス」の分野で活躍しました。

ジャジーマンドリンの演奏は、憂いを帯びつつも根は明るい感じが素敵。ソロでのメリハリの効いた繊細なテクニックも聴きものです。

1983年に長谷川きよしが日本語でカバーしたバージョンもあります(参考)。日本語詩を書いたのは浅川マキ。いい具合にやさぐれた歌詞、ブルージーなメロディーにぴったり(?)

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The Mighty Sparrow「Tour of Jamaica

カリブ海の国々、特にトリニダード・トバゴで発達した音楽、カリプソ

カリプソ・キング」の異名を持つシンガーソングライター、マイティ・スパロウが1963年に発表したこの曲は、ジャジーカリプソの名演として今もなお人気。

いとうせいこうがアルバム「MESS/AGE」でこの曲をサンプリングしたため、日本語ラップに詳しい方は聴き覚えがあるかも。

幸福感がぎっしり詰まったサウンド。涙が出そう。

12月にこの曲を収録したシングル盤が発売されました。ぜひご家庭に一枚。ちなみに私は買い逃しました。

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Chico Buarque「Bye Bye Brasil」

1980年に公開された映画「バイバイ・ブラジル」。軍事独裁政権下での急速な経済成長、アマゾンの森林にまで押し寄せる大開発の波、テレビの普及による(映画を含む)娯楽離れなど、当時のブラジルを取り巻く環境をユーモアを交えながら扱った作品。

その映画の主題歌がこの曲。公衆電話で親しい(愛しい)人と話す、という設定でブラジルの各地を点描します。

電話でのお喋りも終わりに近づき「最後のコインが落ちた」と歌うと、急き立てるように演奏の勢いが増していきます。「水彩画は変わってしまった」と、懐かしさや寂しさを抱えながらも明日に向かって生きていく気持ちを歌って曲はフェードアウト。サウダージってこんな気持なのかしら。

前述のアプリいわく今年の3月だけで130回聴いたらしい。多分今年一番聴いた曲。

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買ってよかった2023

この記事はやまかわアドベントカレンダー Advent Calendar 2023 7日目の記事です。

 

こんにちは、ノレです。読みかたは「のれ」だったり「る」だったりします。
12月現在の名前は「ノレドンヌードウ」です。自分でも訳が分かりません。

なんですかこれわ

現在はりんごぱいというサーバーをメインに、にゃんぷっぷーの絵を描いたり、怪文書を載せたりしています。よろしくお願いします。
そんな私がことし買ってよかったものをズラっと書いていきます。

【優勝】BOSE QuietComfort Ultra Earbuds

今年発売されたノイズキャンセリング機能付きイヤホン「BOSE QuietComfort Ultra Earbuds」。今年一番買ってよかったと思えたアイテムです。優勝。

www.bose.co.jp

街中でこのイヤホンを装着したときの、まわりの騒音がスーッと消えていく体験は何度試しても飽きない気持ちよさ。優勝。

空調の音や、目の前で話している人の声まで聞こえなくなり、別次元の静かな世界に身を置いているかのよう。「デジタル耳栓」の異名は伊達ではありません。

アウェアモード(ノイキャンOFF)にすると、このイヤホンがどれだけ周囲の騒音を遮断していたかに驚かされます。

イヤホンをタップするだけでノイキャンON/OFFを切り替えられるのは楽。

ただ、BOSE製品のノイズキャンセリング機能は非常に強力なので、初めて使う人は違和感を覚えるかもしれません。

「耳の中が真空状態になった感じ」と私は言っているのですが、電車がトンネルに入った際に耳の中がボワ!っとなるあの感覚に近い、独特の圧迫感があります。
この感覚は、慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。私にとっては乗り越えるだけの価値があるイヤホンでした。

突発的な音(ドアの開閉音など)は、まれにノイキャンを貫通することがあるので、その時は私が一瞬ビクッ!となります。かわいいね。

 

毛利眞人SPレコード入門―基礎知識から史料活用まで」

books.rakuten.co.jp

This is a bu-atsui gohon.

ここ数年「レコード人気が復活!」みたいな話を聞きますね。

いま主流のレコードは、1940年代に誕生した「LPレコード」と呼ばれるもの。この本が扱うのはそれより前の時代のレコードである「SPレコード」。その歴史から保管方法まで、一冊にまとめられています。

SPレコードについての知識がこれだけまとまった本は見たことがなかったので、私はレコード沼のなかから歓喜の声を上げたのでした。

 

SPってなんじゃい?

SPレコード1800年代後半に誕生したシェラック製の円盤。蓄音機という再生装置で鑑賞します。蓄音機に耳を傾けるワンちゃんの絵が有名ですね。この絵の中で再生されているのがSPレコードです。

commons.wikimedia.org

SPレコードは大量生産に向いていたことから、「音を記録する」という人類の夢を、世界中で娯楽として楽しめるほど手軽なものにしました。

一方で収録時間が短いという弱点があり、流行歌なら片面あたり1曲分がやっと。クラシックの大作だと一曲を何枚にも分けて収録せざるを得ませんでした。

1940年代後半に、塩化ビニール製の「LP (Long Playing=長時間再生)レコード」が片面2~30分近い収録時間を可能にすると、SPレコードのシェアは減少。日本では1962年に生産が打ち切られました。

それでも、歴史的な価値を持つ録音が多く、SPレコードと蓄音機でしか出せない独特な音は今も人気があります。

この本に書いてあることの中で個人的に嬉しかったのが、戦前の日本に存在したレコード会社についての情報が様々な角度から記述されていること。レーベル(ラベル)に印刷された社名やデザインの変遷など、おおよその製造年代を推定するための情報がまとめられています。

レコードの内側に刻印された製造番号などの情報から、録音されたスタジオやテイク数などがわかる……という専門的な話も。後半に向かうにつれ専門性が上がり難しくなってきますが、レコード沼にどっぷり浸りたい人にぴったりの一冊。

あわせて読みたい上野の森にひそむSPレコードコレクション、その音色に会いに - Google Arts & Culture

 

資生堂 オイデルミン

美しいガラス瓶と透きとおったピンク色が特徴的な化粧水。
発売が開始されたのは1897(明治30)年資生堂が最初に発売した化粧品で、現在に至るまで親しまれています。

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このアイテムは拭き取り化粧水。顔の油分が気になる時に、コットンに染み込ませてサッと拭き取るだけで一気にリフレッシュ。
起床後、うなじから肩甲骨にかけて、あるいは首回りを拭くのも気分がサッパリします。バラを思わせる甘酸っぱい香りがエレガント。

 

無印良品のフレグランス おやすみブレンド

アールグレイでおなじみのベルガモットを中心にブレンドされたフレグランス。
ベルガモットのほろ苦い柑橘の香りのあとに、スウィートオレンジのみずみずしい香りが続きます。飽きのこない透明感のある香りです。

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無印のフレグランスが好きな最大の理由は、香りに人工的な強さを感じないこと。

巷には自然「っぽい」香りの香水が溢れていますが、無印のフレグランスは「自然そのものを香っている」と直感できるのです。

淡い香りですから「つけすぎちゃった!」ということが起きにくいのもありがたいところ。一度つけた香りは、体感30分もしないうちに飛んでいきます。

香りが長続きしないところは、人によって評価が分かれるかもしれません。

私が買ったのはロールオンタイプ。他にも肌に吹き付けるミストタイプが出ています。

ロールオンタイプは持ち運びしやすい容量(6ml)ですから、カバンに入れておけば、いったん香りが飛んでもすぐ塗りなおせます。出先で少し香りをつけたいな……というときに便利です。

 

松山油脂のあれやこれや

墨田区に本社がある松山油脂。厳選された原料を「釜焚き製法」という昔ながらの作り方で100時間かけて作る石鹸など、こだわりのある製品が人気。

私と松山油脂との出会いは、柚子ボディローションを手に取ったとき。

濃密柚子(ゆず)ボディローションstore.matsuyama.co.jp

手に取った瞬間「柚子っぽい」ではなく、明らかに本物の柚子の香りがしたのです。この淡い香りはしばらくすると消えていきましたが、私にとって衝撃的でした。

その後出会ったのが固形石鹸「マザーソープ ゼラニウム」。

マザーソープ ゼラニウムstore.matsuyama.co.jp

透き通った美しい色と、袋越しでもわかるフローラルな香りが購入の決め手。

マザーソープは香りがしっかりあるので、ゼラニウムとローズの香りがお風呂場いっぱいに広がります。

しっとりとした優しい洗い上がりで、肌がつっぱりにくいのも魅力。

つくりものではない、本物の香りに包まれて体を洗う幸せがここにはあります。

純米酒酒粕エキスを配合した「マザーソープ 純米酒」は、角質や皮脂が気になるときにおすすめ。洗い上がりの肌がツルっとして気持ち良いです。

マザーソープ 純米酒store.matsuyama.co.jp

 

秋冬限定でベルガモットの香りも出ていました。ベルガモットの香りが大好きだからこれも欲しいな。

【秋冬限定】マザーソープ ベルガモットstore.matsuyama.co.jp

これは買ってよかったというより、お買い物メモです。これから買います。

 

最後に

アドカレに勢いで参加したのは良いものの、「買ってよかったもの」なんてあったかな?と不安でしたが、振り返ってみたらめちゃめちゃ良いものに囲まれて生きていました。

この1年を振り返る素晴らしい機会をくださったgoma(山川海)さん、そしてめちゃくちゃな文章をここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。素敵なクリスマス&2024年を!

 

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2023年のわたくしと音楽

この記事はねむだる豆腐音楽会 12月7日分の記事です。

 

こんにちは、ノレです。
2023年、皆さんはどのような一年を過ごされましたか。
私はというと、ある日の就寝前、眠気と食欲に同時に襲われ、葛藤の末「夜食のカップうどんを布団の傍らに置いて就寝」したところ「夜食を抱いて寝る」というワードを盛り込んだ歌詞をAIに作詞されてしまった。そんな2023年でした。

misskey.04.si

そんな私が、夜食のうどん以上に印象に残った作品をいくつかここに書き留めておくことにします。

音楽の知見を広げてくれたレコード

日本人の作曲家たちが主に1980年から1990年にかけて発表したアンビエント・ミュージック(環境音楽)を集めたアルバムが第62回グラミー賞の最優秀ヒストリカル・アルバム賞にノミネートされたのは2019年のこと。

アンビエント・ミュージック……ときに生活音や自然音を楽曲に取り込み、リズムやメロディが主張せず、空気のように存在し、生活に溶け込むような音楽。

2019年の私は「そんなの楽しいの?」と考えていましたが、今年に入りいくつかのアルバムを聴き、良いかも……と思うようになったのでした。

 

Joana Queiroz「Tempo Sem Tempo」

ブラジルのクラリネット奏者、ジョアナ・ケイロス(Joana Queiroz)が2020年に発表したアルバム。

鳴っている楽器の多くはジョアナ自身の演奏だそう。いくつも重なり合う音は、人間の呼吸を通して鳴っていることを強く意識させます。

音楽を通じて「生命そのものに触れている」ような感覚は、どことなく宮崎駿が描く自然や動物から感じる生々しさや畏敬の念にも近いものがあります。伝わるのかこれは。伝われ。

多重録音を駆使して作り出された、ゆったりと寄せては返す、深呼吸のような音楽。

銀河を思わせるジャケットに違わぬ神秘的な世界がここにはあります。

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Nala Sinephro「Space 1​.​8」

2021年に、カリブ系ベルギー人のミュージシャンがリリースしたアンビエント・ジャズのアルバム。
途中で虫の鳴き声などの環境音を取り込みつつ、メロディやリズムが絶えず変化し続けるサウンドが印象的な作品。

変幻自在なドラムやサックス、シンセサイザーの音色がとにかく気持ち良かった。

決まった形を持たない音楽の楽しさ。変化し続ける音に身を委ねて、このまま時間感覚を無くしてしまっても良いとすら思えてきます。

ジャズとアンビエント、音楽と自然音の間を自由に行き来する心地よさを味わえるアルバムです。

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Unknown Me「Bishintai (美心体)」

2021年の作品。必要最低限のリズムに乗って短いフレーズが延々と繰り返され、そこにぼんやりとした音色が重なる構図の楽曲が続きます。

80年代の音楽を思い出させるシンセサイザーの音色はどこか暖かく、音と音の心地よい余白に安心感さえ抱きました。

必要最小限の音と、そこに込められたシンプルなメッセージ。

音が鳴り、重なり、リズムが生まれることはとても楽しいことだ、という自分の中の原始的な感覚に気づけるアルバム。

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今年再発売された名作たち

今年は、山下達郎のアルバム8作品の復刻をはじめ、5月には細野晴臣の名作「Hosono House」が復刻、7月にはシティポップ・ブームを受けて再評価が進む杏里のアルバム4作品が復刻されるなど、レコード復刻のビッグニュースが尽きなかった年。

他にも「えっ!これも復刻するの!?」と言いたくなる(実際言った)作品が復刻されました。

Carlos Walker「A Frauta De Pã」

(RCA: SICP 6522)

音域は4オクターブ。占星術に長け、「ボサノヴァを創った男」ジョアン・ジルベルトと共同生活をした経験を持つという人物、カルロス・ワァルケル。

1974年に発売したシングル「Alfazema」がチャート1位を獲得。その流れに乗って、1975年に発売されたのが、このファーストアルバム「A Frauta De Pã」でした。

しかし、このアルバムは高い完成度を誇りながら、海外はおろかブラジル本国でも再発売されることなく月日が流れました。

アルバムに収録されている曲のうち、音楽配信サービスで聴けたのは「Via Láctea」という一曲だけ。

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幻想的な音響処理が施されたオーケストラの響きの美しさに加え、何よりもそのミステリアスなウイスパーボイスによって、ブラジル音楽ファンのみならずプログレッシブ・ロック界隈などからもカルト的注目を集めることに。

アルバムは「幻の名盤」と化し、2022年の9月には遂に6000レアル、つまり(2023年12月6日のレートだと)18万円近い価格で売買されるまでに至りました。

並のレコードマニアには手が届かない領域に達してしまった作品。発売から48年が経った2023年、ようやく、その復刻が世界で初めて日本で実現しました。

アナウンスを知った当時の私はMisskey上で興奮しきりです。財布が終わったそうですが、この人はいつだってそうです。

Carlos Walker本人にも復刻されたアルバムが届いたようです。(以下Facebookの投稿)

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笑顔が素敵。

復刻を監修した小山雅徳さんへのインタビュー記事では、復刻までの裏話を知ることが出来ます。復刻マニアには嬉しい記事です。そんな人いるのか?と思われそうですが、私がいます。よろしくお願いします。

特に好きな1曲:O Cavaleiro E Os Moinhos

「O Cavaleiro E Os Moinhos」は困難に立ち向かう勇気を歌った曲で、様々なアーティストによってカバーされています。

歌手によっては力強く、あるいは熱っぽい表現で歌われる曲ですが、ここでは儚げな歌声を意識してか、繊細なアレンジが施されています。

ラヴェルの「ボレロ」を思わせるスネアドラムの音で始まり、パーカッションが途中から加わってラテンのリズムに変化します。

しかし、音色は一貫してひんやりと冷たい印象を与え、淡い笑みを浮かべたような歌声との間に美しい緊張感を生み出しています。

バーブ(残響)を活用した透明感のある音が印象的。

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本作の制作陣の中で特に目を引くのは、ブラジルを代表する音楽家であるハダメス・ジナタリが楽曲のアレンジを手掛けていること。

ボサノヴァのファンなら、彼がアントニオ・カルロス・ジョビンを見いだした逸話はあまりにも有名。豪華な布陣によるデビュー・アルバムです。

今回の復刻はCDだったけど、いつかレコードで聴ける日が来るといいな。

 

Stan Tracey「Jazz Suite Inspired By Dylan Thomas' Under Milk Wood」

(Resteamed: RSJLP001)

ロンドン生まれのスタン・トレイシーは、セロニアス・モンクデューク・エリントンからの影響を感じさせるスタイルを持ったピアニスト。

不思議の国のアリス」などの英国文学から着想を得た作品は、今日でも高く評価されています。特に、ディラン・トマスのラジオ劇に着想を得たアルバム「Jazz Suite Inspired By Dylan Thomas' Under Milk Wood」は、英国ジャズ史上最高のアルバムとも評されます。

米国ジャズの模倣ではない「英国のジャズ」というアイデンティティを確立するために大きく貢献した、歴史的な作品と言えるでしょう。

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1965年にイギリスの大手レコード会社からリリースされたこの作品は、高い評価を受けたにも関わらず、1970年代にレコード会社の一方的な判断によって廃盤にされました。

スタン・トレイシーは、1976年に自主レーベルからこの作品を再発売。その後、CDでも何度か再発売され、ことし久々にレコード化されました。息子のクラーク・トレイシーいわく、作品がレコードで発売されたのは1976年以来のことだそう。

特に好きな1曲:Starless and Bible Black

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ガーディアンが「史上最高のジャズ・パフォーマンスのひとつ」と評したように、このアルバムの評価を決定づけた一曲と言っても過言ではないでしょう。
ピアノ、サックス、ドラム、ベース。それぞれの静かで、思慮深い演奏が重なりあい、美しい音のさざなみになって心に押し寄せます。

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ちなみに、前述のクラーク・トレイシーはドラマー。自身のクインテットを率いて録音した音源がめちゃくちゃかっこいい。

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おわりに

ここまで、2023年に聴いた音楽の中でも印象的だったものを書きました。

印象的だった曲はもっと沢山あるのですが、一曲ずつ書くと膨大な量になるため、「今年紹介することに意義を感じる」作品で、かつ「アルバムごと好き!」な作品に絞ることで、なんとか記事にまとめられるボリュームになりました。がんばった。

うまく文章化できなかったり、上記のテーマから外れてしまったために記事から外した作品もあるので、それらもいつか出せたらいいな。

最後に、ねむだる豆腐さん、素晴らしい企画を立ち上げてくださり、ありがとうございました。また、音楽紹介を楽しみにしてくださった皆さんにもお礼を申し上げます。

皆さまどうぞ素敵なクリスマスをお過ごしください。2024年もよろしくお願いします。

 

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