2024年の1月~3月に発売される予定の音楽作品から、気になるものをピックアップ。
1月に出るやつ
Osmar Milito / Viagem
ブラジルの名アレンジャー、オズマール・ミリートの1974年作がLPで復刻。
とろけるようなエレクトリック・ピアノの音色がメロウな印象を与える、ボサノヴァ・ファンク(そんな言葉あるのか?)の名作。
ディスクユニオンでは1月18日から、タワレコでは1月26日から取扱開始。
Agustin Pereyra Lucena
ブラジル音楽に魅せられたアルゼンチン出身のギタリスト=アグスティン・ペレイラ・ルセナのデビューアルバムが待望のLP復刻。
オリジナル・マスターテープを使用した復刻は今回はじめての事だそう。音質良さそうなので楽しみ。
良質なブラジル音楽を発表してきたFar Out Recordingsから。タワレコでは1月26日発売。tower.jp
2月に出るやつ
Oluko Imo / Oduduwa
オルコ・イモはトリニダード出身の音楽家。アフリカからの影響を強く受けたファンク・バンド「ブラック・トゥルース・リズム・バンド」ではソングライター、ベーシスト、シンガーなど中心的役割を果たした。
本作は1988年にラゴスとニューヨークの間で録音したシングル盤。史上初となるレコードでの復刻が実現した。
「オドゥドゥワ」は、イフェ王国の最初の支配者にして、ヨルバ族の諸王国の先祖とされる伝説的な王の名前。トリニダードにおけるヨルバの伝統を想起させる題名になっている。
アフロビートの創始者フェラ・クティと彼の息子フェミ・クティも参加。2月9日発売開始。
Sahib Shihab and the Danish Radio Jazz Group
フランスを拠点に、オリジナル盤に忠実な復刻を行っているレーベル=Sam Recordsから。欧州ジャズ屈指の人気作が久々のLP化。
20年ほど前に大阪の澤野工房がLPで復刻したが、なかなかすごいお値段で売買されていた。1965年のオリジナル盤は、最安値で€2,000(約32万円)、最高値だと€4,000(約64万円)で売買されたようだ*。いくら円安とはいえ、私には非現実的と思える価格だった。
ジャケットのデザインがオリジナルに忠実な見た目で復刻され、さらに今回はオリジナルのマスターテープからリマスターした音源でLP化される*らしいので、音質も良さそう。
ディスクユニオンでは「2月下旬入荷予定」。Sam Recordsのページではもう買えるように見える。全世界3000枚限定。
three blind miceプレミアム復刻コレクション
アルバムではなくシリーズ単位で注目しているやつ。
"three blind miceプレミアム復刻コレクション"というシリーズが2月から始まるらしい。
1970年に設立されたレーベル「スリー・ブラインド・マイス(TBM)」は、1970~80年代に絶頂期を迎えた日本ジャズを記録し続けたレーベル。
こだわり抜かれたジャケットデザインや高品質な録音技術、そして何よりその充実した内容によって、「日本のブルーノート」*の異名も。
そのカタログの中からまず3作品がLPで復刻。
ひとつは日本産ピアノ・トリオの大傑作、もうひとつはスピリット大爆発のライブ盤、もうひとつはレーベルの記念すべき1作目。アツい。3作品とも違った方向でアツい。
ソニーの工場で作られるレコードは質が良いと海外ニキネキから評判が良いので楽しみ。3作品とも2月28日発売開始。
3月に出るやつ
白木秀雄 / 祭の幻想
戦後の日本ジャズ界を代表するドラマー=白木秀雄が1961年に録音した代表作が久々の復刻。3月6日発売。
モノラル盤とステレオ盤が存在し、ステレオ盤は2007年に復刻された(が、ずいぶんプレミアがついた……今や定価の3倍近い値で売買されているのではないか*)。
モノラル盤がレコードで復刻されるのは史上初のこと。和ジャズの復刻ラッシュがここ数年続いていますが、本作の復刻が個人的クライマックスかも。ついに出た!
The Clark Tracey Quintet Introducing Emily Masser
ロンドン出身のジャズ・ドラマー、クラーク・トレイシーが3月28日にアルバムを配信。ギルドホール音楽院出身のボーカリスト、Emily Masserをフィーチュア*した作品。
アントニオ・カルロス・ジョビン作曲による「Passarim」が先行公開中。
エレクトリック・ピアノとフルートが涼しげ。